室津は兵庫県たつの市にある港町。今は小さな漁村に過ぎませんが、かつては室津千軒と呼ばれるほど栄えていました。
江戸時代の参勤交代では、ほとんどの西国大名が室津で宿泊し、瀬戸内一の宿場町でした。
またオランダや朝鮮通信使、琉球使節が江戸に参府する時の中継地でもあり国際外交の一端を担っていました。
長い歴史を持つ室津は、司馬遼太郎以外にも多くの文豪を魅了し、様々な作品に描かれています。
今回は司馬遼太郎が旅した室津を追体験し、聖地巡礼をしてきました。
室津を巡り発見した、3つの魅力
- 1300年の歴史を持つ港町に残る独特の風情
- シーボルトが絶賛した瀬戸内海の絶景
- 新たな名物、室津湾で育つ室津牡蠣
室津ってどこ
室津は姫路市の隣、たつの市の海側にある小さな入り江にあります。北側は山に隔たれており、七曲がりというくねくね道を行くしかない。
地図で見ると、交通は不便で入り江も小さな港町が、本当に昔は栄えていたのかと疑わしく思えてくる。
現地でその謎を探ってみたいと思います。
山陽電鉄 姫路駅~網干駅

筆者が室津を知ったのは、司馬遼太郎の「街道をゆく」でした。「街道をゆく9 信州佐久平みち、潟のみちほか」で室津を知ってからいつか訪れたいと思っていました。
しかし、室津はかなり行きづらく駅からのバスもなかったので、なかなか行くことが出来ませんでした。
数ヵ月前、より効率的に町を巡るため折り畳み自転車を購入し、ついに室津への道が開かれました。
まずはJRで姫路駅へ行き、そこから山陽電鉄に乗り換え網干駅へ向かいました。

網干は関西の西の端っこと言うイメージで、神戸と姫路を結ぶ山陽電鉄の最西端の駅となっています。室津はそこから更に西に行ったところ。
追記(2026年4月19日現在)
JR竜野駅から室津までたつの市のコミュニティバスが運行されるようになりました。
たつの市ホームページへ
はりまシーサイドロード

山陽網干駅から折り畳み自転車で室津へ向かいます。
国道250号線を山に向かってひたすら走っていくと平野が尽き、山と海の隙間を縫うように道が続いています。

丁度、疲れてきたなと思ったところに、道の駅がありました。ここで暫し小休止。

室津も含めて、この辺りはたつの市になるので、お土産物屋には室津の産物だけでなく、龍野醤油やそうめんも売られていました。
レストランの方は、新鮮な魚介を使ったメニューが豊富で、特に播磨灘の名産である穴子やシラス、海鮮BBQまでありました。

一人旅の筆者は、ぼっちBBQは悲しいし贅沢過ぎるので、屋台にあったカキフライドッグを購入しました。牡蠣は室津の名物。
牡蠣は英語の綴りでRが含まれる月が旬だと聞いたことがある。この日はRのつく月になった初日だったのでちょっと時季外れ。
牡蠣とパンの組み合わせって初めて食べた気がするが、相性ピッタリ。牡蠣はふっくら大きくて美味しかったです。

施設の裏側には播磨灘が広がっていて、海を見ながら休憩が出来る様になっています。
沖の方に見えるのは牡蠣の養殖場でしょうか。

この辺りの海岸線は切り立った断崖になっていて、道は通っていませんでした。明治以前は、船で移動する方が効率が良かったので、無理に道を作る必要がなかったのです。
アップダウンが激しく、曲がりくねった道を自転車で必死でこいでいると、船の方が便利やったやろなーと実感します。
室津まであと少し。頑張ります。

七曲りと呼ばれる連続カーブを過ぎると、室津の町が見えてきました。
波打ってる石碑には室津の街並みとあり、町巡りが始まる気分を盛り上げています。
町は山と海に囲まれた地形にあるので、町は坂の下にあります。
室津 観光案内マップ

町も港も山と海の間の限られた土地に、凝縮するように町並みが形成されています。
司馬遼太郎は室津を「湾は意外に小さい。湾の小ささが室津の風情をいっそう濃くしている」と感想を漏らしている。
ついに来ることが出来た室津の町とご対面です。
室津の町並み

カーブする道に古い町屋が建ち並んでします。江戸時代の港町って雰囲気が残されています。
右の室津診療所がマジで素晴らしい。

司馬遼太郎は室津の町並みを「室津の崖と入江に張り付いている街区は小さくて古風ながらも、よく区画されている」と記しています。

海と山に挟まれた土地に出来た町なので、建物は密集し狭い路地が非常に多い。
それが歴史ある港町って感じがして、独特の風情を出しています。

入り江の港には、海が見えないくらいの大量の漁船が停泊しています。
船は北前船から漁船に変わりましたが、その数は今も変わっていない様。
司馬遼太郎が宿泊した旅館の仲居さんとの会話シーンでは、「室津の沖は宝の海やさかいな。漁はな、えらいもんです」と室津の海を褒め称えていました。

向こうの岸には江戸時代の土蔵が立ち並んでいる様に見えますが、現代家屋も交じっています。
上が白く、下が板塀?っぽいので統一されているので、今も室津港の繁華が続いている様。

湾を囲む様に船がビッシリと停泊している。
「街道をゆく」から今の室津は物寂びた雰囲気かと思っていたが、そんなことは無いよう。
個人的には昔の風情を残しつつ、今に合わせて発展している町が好きですね。
室津も新しい魅力が生み出しています。それが、

