小豆島・土庄歴史観光 島の小さな町に詰まったユニークな名所を巡る

土庄 西光寺 エンジェルロード

小豆島の西部にある土庄(とのしょう)は島の玄関口で多くのフェリーが発着し、バスのターミナルにもなっている小豆島観光の拠点のなる町だ。

路地が入り組み迷路の様になっている歴史ある町並みに、数多くの由緒ある寺、風光明媚な景勝地まであり、小豆島の中でも他の地域とは違う魅力に溢れている今回はそんな土庄を紹介していこう。

土庄の魅力、3つのおススメポイント

  • 全国でも珍しい室町時代の迷路の様な町割りと由緒ある寺の数々
  • 迷路の町を巡りながら鑑賞できるアートスポット
  • 引き潮時のみ現れる不思議な砂の道「エンジェルロード」
目次

迷路のまち

引用元:土庄町ホームページ

迷路のまち、土庄本町は土庄港から車で5分くらいのところで土庄エリアのメインタウンに位置している

今から約700年前の南北朝時代、今の岡山県児島と本拠地とする武将飽浦信胤(あくらのぶたね)が南朝側に寝返り、小豆島を領土とした

これを討ち取るべく北朝側武将•細川頼春(管領細川家の祖)は軍勢を小豆島に差し向けた

その際、飽浦信胤は戦いに備え土庄の町を迷路の様に路地で入り組んだものにし、それが今でも残っている

室町から戦国時代にかけて戦いが頻発していた時代は日本中に迷路の町並みがあったが、平和な江戸時代になると、敵からの防衛よりも商業や流通を優先する様になったため次第に姿を消していった。

ここ土庄本町の入り組んだ路地は全国に現存する数少ない迷路の町並みの一つである。

そんなレアな町並みが残る土庄本町は歴史ある建物に、昭和の雰囲気な佇まいがあり、また町おこしとしてアートにも力を入れており色んな楽しみ方が出来る町となっている。

町の路地は毛細血管の様に非常に入り組んでおり、数多くの三叉路と曲がりくねった道が来た人を迷わせる。

敵から町を守るためには道路は見通しが良い直線ではなく、前方の視界を遮るため曲線にする方が効果的なため。土地勘がある地元の人とっては複雑な道を利用し、敵を撹乱して神出鬼没に戦い町を守っていたのだと思う。

迷路の町を作った飽浦信胤は小豆島で慕われており、地元の踊りや農村歌舞伎には飽浦信胤の恋のエピソードが登場する。領主を慕い共に自ら町を守っていた島民に思いを馳せながら町を巡るとその心意気を感じれる様な気がする。

地図

アクセス
土庄港から小豆島オリーブバス「坂手線」「南回り福田線」「中山線」「四海線」に乗車し約3分、土庄本町で下車。

小豆島オリーブバス公式ホームページへ

公式ホームページ:小豆島 迷路のまち

妖怪美術館&小野川直樹美術館

引用元:妖怪美術館 https://meipam.net/

小豆島は古来から関西と四国、九州をつなぐ瀬戸内海の寄港地として多くの船が行き交っていた

またお遍路信仰の玄関口として各地の人が訪れ活発な交流があり、さながらイギリスのカンタベリー詣中の巡礼者達が自分の知っている話を語っていくカンタベリー物語の様に、小豆島は情報交換の中継地となっていた。

そこで生まれたのが妖怪にまつわる様々な話であり、小豆島には数多くの妖怪話が言い伝えられている

そんな小豆島の土庄には世界で唯一の妖怪をテーマにした美術館、妖怪美術館がある。利用されてなかった古民家や蔵などを新たに活用し、4棟が美術館としてリニューアルされている。

伝統的な妖怪だけでなく、使っていると肩がこるパソコンの妖怪、SNSのいいね!を集める妖怪など現代的な妖怪まで展示されている。

思わず笑ってしまう妖怪がたくさんあり、ここでしか見れないものばかりなので小豆島に来られた際は、是非立ち寄って見てもらいたい。夜遅くまで営業されているので、昼間の街歩きを楽しんだ後でも入館することが出来る。

更に美術館の横には妖怪barが併設されている。こちらのバーは妖怪たちが立ち寄るバーというコンセプトだが、人間用のメニューもある。

小豆島のクラフトビール「まめまめびーる」をアレンジしたオリジナルラベル「妖怪アワー闇ラベル」、小豆島唯一の酒蔵「MORIKUNI」の日本酒「門ノ音」などの小豆島の地酒やドリンクやスイーツを楽しめる。

美術館に入館しなくても利用出来、お昼から営業しているので散策の際の休憩にどうぞ。

小野川直樹美術館

引用元:小野川直樹公式ホームページ

また妖怪美術館のすぐ近くには折り鶴アーティストとして注目されている小野川直樹の美術館がある

指先サイズの無数の小さな折り鶴を用い様々なものを表現しており、超絶技巧で作り上げられた緻密で繊細な作品はその迫力に圧倒されそうになった。

小野川直樹の美術館はここ小豆島だけなので、土庄を訪れた際には、他では観ることが出来ない小野川直樹の作品を是非ご堪能あれ。

妖怪美術館&小野川直樹美術館
開館時間・休館日
開城時間 9:00〜22:00(最終入館21:00)
木曜のみ 14:00〜22:00(最終入館21:00)
休館日  水曜(祝祭日は営業、瀬戸内国際芸術祭期間中は無休)

入館料
迷路のまち共通券(妖怪美術館+小野川直樹美術館)
大人:3600円 中高生:1800円

妖怪美術館
大人:2900円 中高生:1450円

小野寺直樹美術館
大人:1600円 中高生:800円

現地購入は妖怪美術館03号館に受付があります

⭐️WEBチケットは最大400円引きとお得です⭐️
 アソビュー ➡︎こちら
 ローチケ  ➡︎こちら

妖怪美術館 受付の地図

小野川直樹美術館の地図

アクセス
土庄港から小豆島オリーブバス「坂手線」「南回り福田線」「中山線」「四海線」に乗車し約3分、土庄本町で下車。

小豆島オリーブバス公式ホームページへ

公式ホームページ:妖怪美術館小野川直樹美術館

妖怪bar
営業時間・休業日
営業時間 14:00〜22:00(ラストオーダー21:30)
休業日  水曜(祝祭日は営業、瀬戸内国際芸術祭期間中は無休)

アクセス
妖怪美術館03号館に併設

西光寺

西光寺の楼門

小豆島八十八箇所霊場(小豆島内に建立されている八十八の寺)の五十八番札所西光寺これは「四恩の門」と言う名前の仁王門で、上部に鐘楼がある鐘楼門形式となっている。

鐘楼門とは鐘楼(釣鐘が吊ってある施設)と楼門(2階建で上部に屋根をもつ門)を融合した門のことである。

またこの門前通りでは年に2回(4月21日と12月21日)に大師市が開催される。土庄町で100年以上の歴史がある伝統的なイベントとなっている。

西光寺の奥の院である三重塔「誓願の塔」。町を見下ろす高台に建っており迷路の町のシンボル的存在。道に迷った時はこの塔を目印にするといいかも。

拝観時間
8:00〜17:00

地図

アクセス

土庄港から小豆島オリーブバス「坂手線」「南回り福田線」「中山線」「四海線」に乗車し約3分、土庄本町で下車。徒歩約2分。
小豆島オリーブバス公式ホームページへ

小豆島尾崎放哉記念館

引用元:土庄町ホームページ

尾崎放哉は種田山頭火と並ぶ自由律俳句の代表的俳人東京帝国大学を卒業生したエリートでありながら、企業勤めが性に合わなかったのか30代のとき全てを捨てて、無所有を掲げる京都の一燈園に入った。

その後、寺を転々としながら極貧の中、俳句を創り続け、小豆島が放哉の終焉の地となった。

最後の8ヶ月を過ごした西光寺奥の院「南郷庵」に記念館がある。放哉が小豆島で詠んだ句を思い浮かべながら土庄のまちを巡るとより味わい深く感とれるはず。

放哉が小豆島で詠んだ代表句。

咳をしても一人

足の裏 洗えば白くなる

こんな良い月を 一人で見て寝る

嘘をついた様な 昼の月がある

いつしかついてきた 犬と浜辺にいる

障子開けて置く 海も暮れきる

旅をしながら句を詠んだ動の種田山頭火に対して、放哉の句は静の中の孤独や無常観を表現している。また日常の何気ないことをユーモアを交えて句にしているのも特徴である。

開館時間・休館日
開館時間 9:00〜17:00 最終入館時間は16:30
休館日  水曜日 年末年始(12/28〜1/4)

入館料
大人 220円(団体200円) 
子供 110円(団体100円)

地図

公式ホームページ:尾崎放哉記念館

土渕海峡(どふちかいきょう)

西光寺の楼門

土庄の町中には川が流れているが、実はこれは川ではなく海峡なのである写真の右岸が小豆島(渕崎地区)で左岸が前島(土庄地区)と言う別の島となっている。名前は土庄と渕崎の頭文字をとって土渕海峡と言う。

この海峡の全長は2.5キロとかなり長いのだが、幅は最も狭い箇所で9.93メートルしかなく「世界一狭い海峡」としてギネス認定されている。

もちろん海峡なので満潮と干潮があり、その差は約2メートルで満潮時は両岸の色の変化している部分まで増水する。

この海峡には3つの橋があり、西のふれとぴあ橋、東のオリーブ大橋、真ん中にある永代橋が最も短い箇所となっている(下の地図参照)。

橋を渡った人には渕崎地区側にある土庄町役場で横断証明書(100円)が発行される(平日は土庄町役場商工観光課で、休日は土庄町役場宿直室で発行)

地図

エンジェルロード

エンジェルロード

迷路の町から歩いて15分ほどのところに世界でも珍しいトンボロ現象を見ることが出来る観光スポットがある。

トンボロ現象とは満潮時は見えなかった砂州が干潮時には見え島と繋がる現象のこと。また干潮時のみ陸続きとなる島のことをタイダルアイランドと呼び、フランスのモンサンミッシェルが有名。

日本でこれが見れるのはわずか数カ所のみ。その一つがここエンジェルロードで、小豆島と一体化している弁天島から中余島、小余島、大余島へと約500メートルにわたって干潮時のみ現れる砂州で繋がっている。

潮の満ち干きによって現れたり消えたりする神秘性から別名「天使の散歩道」とも呼ばれている。メディアでもよく取り上げられ映画やドラマのロケ地にも使用されている。

上の写真で見える砂州で繋がった島が中余島。歩いて渡れるの中余島までで、小余島は岩場が多く危険なため、大余島はYMCA専用の国際キャンプ場になっているので無断で立ち入ることは出来ない。

訪れる際に確認しておくべきことが、満潮干潮の時間帯である。エンジェルロードが現れるのは1日2回、干潮時を中心に前後3時間、約6時間に渡って現れる。訪れるタイミングが重要となるので、是非、下の潮の満ち引き検索をご活用を。

潮の満ち引き検索はこちら(小豆島国際ホテル)

地図

土庄 全体マップ

最後に今回、紹介しました歴史スポットの全体マップを載せておきます。左上の旅猫の左の→をクリックしますと、番号に対応した歴史スポットが表示されます。

小豆島土庄町へのアクセス

小豆島には数カ所の港があり、高松港、新岡山港、日生港、姫路港、神戸港とフェリーで結んでいる。

小豆島へのフェリーは小豆島フェリー、両備小豆島フェリーグループ、ジャンボジェリーがある。乗船港によって運行会社が異なるので、それぞれチェックして下さい。
小豆島フェリー両備小豆島フェリーグループジャンボジェリーの公式ホームページへ

小豆島の各港から土庄本町まで車での所要時間は「池田港10分」「坂手港30分」「土庄港5分」「福田港40分」「大部港20分」

路線バスを利用する場合は、池田港からは「坂手線、南廻り福田線」、坂手港からは「坂手線」、土庄港からは「坂手線、南廻り福田線、中山線、四海線」、福田港からは「南廻り福田線」でそれぞれ「土庄本町」下車。大部港からは「北廻り福田線土庄港行き」で「王子前」下車。どの線も本数が少ないので事前チェックがオススメです。

小豆島オリーブバス公式ホームページへ

長文でしたが最後までお読みいただきありがとうございました!

土庄 西光寺 エンジェルロード

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この記事を書いた人

著者;どらきち。平安京在住の地理、歴史マニア。 畿内、及びその近辺が主な活動範囲。たまに遠出もする。ブラタモリや司馬遼太郎の「街道をゆく」みたいな旅ブログを目指して奮闘中。

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