与謝野町歴史観光 機織りの音が鳴り響く、ちりめん街道を行く

旧尾藤家住宅

旧尾藤家住宅

佐々木家の向かい側にある旧尾藤家住宅。ここはちりめん街道で唯一、中を見学出来るようになっている

一見、この地域のよくある町屋に見えるけど、入って驚きの大豪邸になっていた。ここはホンマに必見の価値あり。

玄関

旧尾藤家住宅は1863年(文久3年)に建築された丹後ちりめんの商家。

尾藤家は江戸時代から続く庄屋で、酒造業や廻船問屋、ちりめん問屋と次々と商売を広げ、大豪商となった

現在の家を建てたのは9代目、尾藤喜代蔵。ちりめん問屋になったのは9代目のときであった。

ミセ

玄関のすぐ横の部屋はミセといって、接客スペースで商談などを行う部屋となっていた

訪れたのが3月だったので、雛人形が飾ってあった。

ミセから上がり、雛人形を近くで見てから、振り返ると驚きの光景が目に飛び込んできた。

表座敷

そこには2匹の鹿がいた。これは閉じた状態で見たいと思い、スタッフの方に許可を得て閉じさせてもらった。

商談にきた顧客もこれは驚いたに違いない。

ここからは店主一家のプライベート空間。

奥が台所になっているので、ここはダイニングといったところか。

前出のダイニングルームの上には、中2階みたいなのが見える

これが摩訶不思議なことになっていて、家中を探しても中2階に行ける階段がないのである

実は灯台下暗しで、めちゃくちゃ近くにあった。というか前出の写真の中に映っていたのだ。

良ければ、戻って探してみて(>_<)。

天井の隠し階段

ダイニングの天井に隠し階段があったー!。ちょっとした忍者屋敷みたいだ。

ただ、これは下ろすことは出来ないみたいで、結局は中2階には行けなかった。

奥座敷

襖ごとに違う絵が描かれていて、もはや美術館レベル。

新座敷

昭和初期に新しく増築された棟にある書院兼茶室。今までの座敷とそこまで違いが無い様に見えるけど、実はめっちゃ贅沢な作りになっているのだ

天井全体に使われているのは、超高価ことで知られる屋久杉。

床柱が左の短い柱から順に梅、松、竹になっていて、松竹梅で縁起の良さを表現している。発想とセンスが凄い。

新座敷の欄間

自然の竹を生かした芸術的過ぎる欄間。

豪華さはこれだけでは終わらない。ここが和の高級部屋とすれば、2階に洋の高級部屋が作られている。

階段にあるステンドグラス

2階へ上がる階段で、いきなり洋風の洗練された雰囲気が。

2階の応接室

明治18年生まれの11代目尾藤正治は、大の洋館マニアで、昭和初期に念願の洋館を自宅に完成させた。

そのマニアぶりは、加悦町長に就任してから、町内の公共建築を次々と洋風建築に作り替えていったほど。ちりめん街道の入り口にあった旧町役場が洋風建築であったのは、そういうことであった。

マニア的な理由だけでなく、1927年(昭和2年)に丹後大震災が発生し、多くの木造建築が焼失したことも、洋風建築の採用につながったと言われている。

隣の書斎

応接室と書斎にある照明器具や家具はすべて、11代目のオーダーメイドになっているらしい。

増築時に作られた離れ。最初に見た時は茶室と思っていたが、中に入ると全く違っていた。恥ずかしい勘違いをしてしまった。

右側の2枚扉を開けるとそこには、

トイレ

なんとトイレであった。こんな心が落ち着きそうなトイレは見た事が無い。

天井からは吊り下げ手洗器がぶら下がっており、その向こうには、格子を氷裂紋に組んだ芸術的な窓が。

最初は何がぶら下がっているのか、分からなかった。昭和以前はトイレの前にあり、中にたまっている水で手を洗っていたらしい。これがぶら下がっている時点でトイレに決まっているのであった。

横がトイレということは、引き戸の向こうにあるのは…

洗面所

瀟洒なインテリアの洗面所であった。何なんこの凝った意匠の天井は。

っていうか、中に洗面所があるのに何で手洗器がぶら下がってるんやろ。

檜風呂

奥は浴室になっていた。この家は天井が部屋ごとにデザインが違っていて、上ばっかし見てしまう。

中庭

中庭からは、巡ってきた洋館と御手洗兼檜風呂の離れが見渡せる。

中庭

奥に見えているのが、通りから最初に入った江戸時代の建物。

建物は中庭を囲んでいて、縦に細長い形をしている。

いわゆるうなぎの寝床構造やけど、敷地自体がめっちゃ広いし、太くて長い巨大うなぎになっている。

たっぷりとうなぎを味わったので、引き続きちりめん街道を散策して行こう。

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この記事を書いた人

著者;どらきち。平安京在住の地理、歴史マニア。 畿内、及びその近辺が主な活動範囲。たまに遠出もする。ブラタモリや司馬遼太郎の「街道をゆく」みたいな旅ブログを目指して奮闘中。

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