伊根町歴史観光 世界で唯一の舟屋の町、伊根に隠された神秘とは 

海の京都と呼ばれている丹後半島。その一角の小さな湾にある伊根町は、今や超有名になった舟屋で知られた町。

を海から直接収納できるように海の際に建ち並ぶ舟屋は、世界中でもここでしか見ることが出来ない

何故、舟屋は伊根町でしか見ることが出来ないのだろうか?

今回は伊根の舟屋の謎をテーマに町を巡ってきた。

伊根の町を堪能する3つのポイント

  • 自分んちが観光施設?!知らない人の家をお宅訪問。
  • リアル漁師さんが自分の船で伊根湾を案内。
  • 日本三大ブリ漁場の伊根、ブリを食わずに何を食う!
目次

伊根町ってどこ

伊根町は天橋立で有名な宮津市から、丹後半島を海岸沿いに北へ行ったところ。京都の最北端に近い。

宮津駅

京都丹後鉄道 宮津駅

前日は与謝野町のちりめん街道を訪れ、夜は福知山のカプセルホテルに1泊した。

翌朝、再び宮津の方へやってきた。伊根町へは宮津駅からバスが出ている

距離的には宮津から伊根までそこまで遠くない様に見えるが、1時間くらいかかってしまう。

バスは阿蘇海を大回りする必要があるけど、船やったら最短で行けるのになー、と思いながら伊根町に到着した。

伊根湾巡り遊覧船

伊根湾めぐり遊覧船

伊根湾に入る手前の港から伊根湾巡りの遊覧船が出ている。

バスの中でも思っていたが、昔は伊根町へのアクセスは陸路よりも船の方が主流だった

山が海まで張り出しているところが多く、陸から行くのは不便だった。今でも海を避けて大回りさせられる

そういうことで、伊根湾へのファーストコンタクトは船でありたい。

伊根湾巡り遊覧船

港付近も小さな湾になっているが、この辺りには舟屋は全く見当たらない

これがすぐ隣の伊根湾に行くと、どんな風景が現れるのか、今から楽しみで仕方がない。

青島

伊根湾の入り口には小さな島があり、ここが伊根湾と外海の境目になっている

この青島は無人島やけど、海や漁業の神様でお馴染みのえびす様を祀る蛭子神社が建立されている。

伊根の舟屋

おー!山と海に挟まれ土地がある様な無い様な場所に、家屋がズラリと建ち並んでいる。

堤防も高台も何も無い海の際に、これだけの家が建ち並んでいるって信じられない。

遊覧船からの舟屋群

湾内には約230軒の舟屋が軒を連ねている。海沿いには新しく建てるスペースは無いくらい、完全に舟屋で埋め尽くされていた。

ただ、この遊覧船は、写真あたりまでしか舟屋に近づいてくれないので、ちょっと物足りない感があった。

伊根浦の方にも遊覧船があって、そっちの方はかなり近くまで舟屋に寄ってくれる。

伊根浦の入り口

遊覧船を降りて、改めて陸路から舟屋の町並みが残る、伊根浦へ。

ここから伊根湾の対岸まで、ほぼ途切れることなく舟屋が建ち並んでいる。

伊根の町並み 1

伊根浦の町並み

古い家並みを車一台分くらいの道が、縫うように続いている。

いかにも昔の漁師町といった感じで、素晴らしい雰囲気。

向井酒造株式会社

向井酒造株式会社

しばらく進んだところに、かなり歴史のありそうな蔵元があった。

向井酒造株式会社は伊根町の唯一の蔵元で、創業は1754年(宝暦4年)

向井酒造株式会社 店舗入り口

赤米で作った日本酒「伊根満開」が名物。買おうと思っていたが、あいにくの売り切れだった。

伊根満開は世にも珍しい赤い日本酒で、見た目がロゼワインの様な感じ。どんな味わいなのか飲んでみたかったー。

赤い日本酒は珍しいので、通常の3倍の売れ行きがあるのかもしれない(笑)

↑伊根満開 楽天アフィリエイトより。

向井酒造株式会社

向かい側は工場になっている。工場の横はすぐ海で、船での運搬に非常に便利な立地。

ただ、日本酒造りに重要な水が見当たらず、少し離れた場所に小さな川が1本あるだけ。

生活にも欠かせない水の確保はどうしているのかと調べて見ると、すぐ裏手に山から水が湧き出ていて、それを取水して利用しているとのこと。

大きな川が無い小さな湾や入り江の町では、海だけではなく山も重要で、山が自然の濾過装置として機能し、美味しい水を供給している。

舟屋 青海波

舟屋 青海波

伊根町の舟屋の多くは、今も普通に生活が営まれている家になっている。

幾つかの舟屋では、内部を公開してくれていて、舟屋見学が出来るようになっていた

舟屋 青海波は見学可能な舟屋の一つ。家の人がガイドを兼ねており、色々と教えて下さった。

青海波 屋内

玄関から入ると、奥の方まで続く一直線の廊下があった。これは海の方から外の道まで直接、漁で使う網を引っ張ることが出来るようになっているとのこと。

青海波 舟屋内

海側から見た時はテンションが爆上がりしたけど、実際に住んでいる方の話を聞きながら見る舟屋は、つらつらとした感動が沸き上がってきた。

昔の船は木造だったため、海に浮かべたままだとフナクイムシに喰われてしまう。それを防ぐため、船を陸に上げて収納するスペースを設けていた

青海波 舟屋内

ただ今の船は木造ではないので、海に浮かべておいても問題はないらしい。

そのため、ガレージとしての役割が無くなり、リノベーションして再利用している舟屋が多くなっているとのこと。

船に京都と書いてあるだけで、親近感を感じてしまう。京都にこんなに素晴らしいところがあるなんて!

青海波 海側

波を見ていて思ったのが、満潮時や台風が来た時など、舟屋の中に浸水してしまうのでは?

ガイドさんの話では、海の水が濡れている部分より中に来たことは、ほとんどないらしい

そんなアホなー!、いったいどういう事だってばよ?

それこそが伊根湾が持つ自然の神秘なのだ。その答えは、伊根町を巡りながら明らかにしていきたいと思う。

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この記事を書いた人

著者;どらきち。平安京在住の地理、歴史マニア。 畿内、及びその近辺が主な活動範囲。たまに遠出もする。ブラタモリや司馬遼太郎の「街道をゆく」みたいな旅ブログを目指して奮闘中。

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