近江八幡歴史観光(歴史編) 城下町から商人の町へ、近江八幡発展の秘密

目次

水郷めぐり

水郷めぐり 舟のりば

水郷めぐりは4つの乗り場があり、それぞれルートが異なっている。

観光地から一番近い、近江八幡和船観光協同組合の水郷めぐりを選んだ。

各水郷めぐり情報は下記のサイトを参考に
【公式】近江八幡観光情報サイトへ

飛び出し坊や 水郷めぐりバージョン

舟乗り場では飛び出し坊やも舟の船頭さんスタイルに。

舟乗り場のお手洗いは、信号の無い横断歩道を渡ったところにある。

限界に来ている人が慌てて飛び出すことを想定し、飛び出し坊やが設置されている。実際、車が止まってくれるかは知らんけど。

近江八幡和船観光協同組合

茅葺屋根の待合所。

意外な事にこの茅葺が近江八幡の発展、4つ目の鍵となっているのだ

近江八幡和船観光協同組合

手漕ぎ舟が停泊している。ここは断然、手漕ぎ舟の方が良いと思った。その理由はまた後ほど

では、約80分の水郷めぐりに出発!

水郷めぐり

船頭さんは、水郷の解説をしながら、棹で舟を巧みに操っておられた。

ここは八幡堀の続きで、「街道をゆく」では、
近江八幡城は築城後十年で廃城になったが、この外堀だけは在所の暮らしの中に生きている。よしを刈りにゆく人も、内湖の洲のなかにある田を耕しにゆく人も、この八幡堀から舟で出かける。
と紹介されていた。

水郷めぐり

水郷にはこのくらいの大きさの湖沼が点在し、それらが水路で繋がっている。その中で最大が西の湖。

西の湖はかなり離れているため、今回、乗船した水郷めぐりでは西の湖までは行かない。水郷地帯がそれだけ広いってことの証でもある。

昭和以前はもっと広くて、西の湖は今の5倍ほどの大きさであった。それが、昭和30年代、農地にするために湖の大半が埋め立てられた

街道をゆくで司馬遼太郎は、
海を干拓するならまだしも、人の生命を養う内陸淡水湖を干拓し水面積を減らしてしまうなど、信じがたいふるまいのように思われた。
と嘆いている。

水郷巡り

船は再び、細い水路に向かって進んで行く。

以前、ベトナムに行ったとき、メコン川の中州に作られた農園を舟で巡ったことがあった。そこも細い水路の両岸に大小さまざまな植物が生い茂っていた。

田畑は他の場所でも作れても、この景色はここでしかありえない。日本でもまだ見ることが出来たのだ。

水郷巡り 桜並木

この辺りは、よくガイドブックとかで紹介されるところで、右側の岸沿いが桜並木になっている。

八幡堀のところにビール醸造所があったな。それと満開の桜って、最高過ぎる組み合わせやん。

水郷めぐり

前方の木橋や細い水路は時代劇ロケによく使われるらしい

「水戸黄門」「必殺仕事人」「剣客商売」「鬼平犯科帳」などに登場しているとのこと

実写ではどれも見ていなかったが、剣客商売と鬼平犯科帳は漫画で読んだので、雰囲気はめっちゃ分かる。

秋山小兵衛が小舟に座り、若奥さんのおはるが櫓で漕ぐシーンが浮かんでくる。

水郷巡り

この周りに生えている背の高い植物がヨシ(葦)である。ヨシを使ったモノ作りは室町時代あたりから行われており、近江八幡の伝統的な生業であった。茅葺屋根やすだれ、紙、家の建材を作ることが出来る

本格的に地場産業となったのは江戸時代からで、近江商人によって江州ヨシの評判は全国的に高まり、特にヨシすだれは特産品となった。

今は安い海外製品に押されているが、ヨシを使った新製品が開発されており、文具や笛、ストロー、工芸品などが作られているらしい。

水郷巡り よしの龍神

水郷の中に小さな祠を見つけた。よしの龍神といい、文字通りヨシの神様を祀っている。

ここはどう見ても、陸からたどり着くのは不可能である。祠自体もヨシを背に立っており、舟でやってきてヨシに向かって参拝する様になっている。

毎年、大阪の天神祭が行われる時、大阪天満宮の楼門に茅の輪が設置される。茅の輪はここのヨシで作られており、奉納の儀式がここで執り行われるとのこと。

水郷めぐり サギ

水郷は水鳥の生息地になっていて、運が良ければ色んな鳥が見られるとのこと。

灌木に止まっているサギを見つけた。これはかなりのレアものらしい。モンスターボールがあったら捕まえたいが、そんなことをすれば、手が後ろに回ってしまう。

水郷地帯はラムサール条約湿地と鳥獣保護区に指定されているので、勝手に捕まえると罰則が待っている

これらは2000年代に入ってからのもので、昭和30年代からすると、時代が一回りした感じがする。司馬遼太郎が抱いた小さな希望は、環境保全に向けた大きな取り組みへと前進している。

水郷めぐり サギ

風がそよぐと、ヨシの葉擦れの音がサワサワと聴こえてきた。もしエンジン舟だったら、ヨシの音は聞こえないし、鳥を近くで見ることも出来なかった

日本のことを「豊葦原(とよあしはら)の瑞穂の国」という呼び方を聞いたことがあるが、この様な風景が日本の原風景だったのだろうか。

水郷めぐり カイツブリ

今度はカイツブリを見つけた。カイツブリは別名、鳰(にお)と呼ばれ、滋賀県の県鳥となっている

琵琶湖の「鳰の海」という別称は、カイツブリの生息地であることから。

カイツブリは、水郷で一番エンカウント率が高いが、近づくとすぐに水に潜って姿を消してしまう。何とか逃げ出す前に、写真におさめることが出来た。

かくれけり 師走の海の かいつぶり
松尾芭蕉

水郷めぐり 八幡堀

舟は八幡堀まで戻ってきた。

船頭さんはガイドの合間合間で、歌を披露された。アカペラにもかかわらずめっちゃ上手で、特に最後に歌われた琵琶湖周航の歌は鳥肌が立ってしまった。

素晴らしい旅の締めくくりになったし、また滋賀県に来たいと思わせる宣伝効果も抜群だった(笑)。

このあとは長命寺にあるスーパー銭湯で汗を流してから、京都への家路についた。

近江八幡巡り Googleマップ

近江八幡へのアクセス

公共交通機関🚃🚌
新快速で大阪から約1時間、京都から約30分。近江八幡駅下車。北出口からバスで約10分。

車🚗
名神高速道路「八日市IC」から約30分。

1 2 3

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

この記事が気に入ったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

著者;どらきち。平安京在住の地理、歴史マニア。 畿内、及びその近辺が主な活動範囲。たまに遠出もする。ブラタモリや司馬遼太郎の「街道をゆく」みたいな旅ブログを目指して奮闘中。

コメント

コメント一覧 (2件)

コメントする

目次